広告予算とCV数の関係
このページでは「CV数」「CPA」という言葉がよく出てきます。最初に意味を整理しておきます。
- CV数(コンバージョン数): 広告から獲得できた「成果」の数。整体院の場合は新規予約の数のことです。
- CPA: 1件の成果を獲得するのにかかった広告費。「予約1件あたり〇〇円」という単価のことです。広告費を予約数で割った数字、と思ってください。
広告費を増やすとCV数はどう変わる?
「広告費を倍にしたら、新規予約も倍になるはず」と思いがちですが、実はそうなりません。
広告費を増やしていくと、効果の出方は大きく3つのステージに分かれます。
この動きは、畑に種をまく感覚に少し似ています。
- 最初の100粒は、まいた分だけぐんぐん発芽する
- 500粒まくと、土の養分が足りなくなって育ちが悪くなる粒が出てくる
- 1000粒まくと、もう畑が満杯。それ以上まいても新しい芽は出ない
広告も同じで、予算を増やしていけばどこかで「これ以上まいてもムダ」という地点に行き着きます。
3つのフェーズで考える
フェーズ1: 効率良の伸び期 (=ぐんぐん伸びる時期)
広告費を投下した分、ぐんぐん新規予約が増えていく時期です。
なおかつ、CPA(予約1件あたりの単価)もどんどん安くなっていく、一番気持ちのいい状態となります。
なぜCPAが下がっていくのか、少し補足します。
Metaの広告システムは、配信が進むほど「どんな人に出すと反応が良いか」を自動で学んでいきます。最初はざっくり配信していたのが、データが溜まるにつれて「この層に出すと予約に繋がりやすい」というのを覚えていくイメージです。これを「機械学習が進む」と呼んでいます。
この段階では、予算を増やすチャンスとなります。
競合より先に伸ばしておくと、後の運用で有利になる時期です。
フェーズ2: 効率最適点 (=一番美味しい時期)
CV数(予約数)はまだ少しずつ伸びるけれど、フェーズ1の時のように爆発的には増えなくなる時期です。
CPAも「これ以上は下がらない」という底まで来て、ここから少しずつ上がり始めます。
実はこのフェーズが、一番効率が良い「美味しい」状態となります。
畑の例えで言うと、土の養分をフルに使い切って、ちょうど最大収穫が出ているタイミングです。
ただ、ここから無理に予算を増やすと、CPAが上がっていく覚悟が必要です。
「予約1件あたり〇〇円までならOK」という許容ラインを意識しつつ、現状維持 or 微増の運用が安全です。
フェーズ3: 母数飽和 (=増やしてもムダな時期)
これ以上予算を増やしてもCV数(予約数)が伸びなくなる時期です。
CPAだけがどんどん上がって、コストが膨らんでいきます。
地域内で広告を見てくれそうな人に、だいたい一通り届ききった状態になっているからです。
商店街で1000枚のチラシを配り終えた後、また配ろうとすると、同じ人に2枚目・3枚目を渡し始めることになりますよね。
新しいお客さまになる人はもうほとんど残っていないので、いくら配ってもお店に来る人数は増えません。広告もこれと同じ状態になります。
この段階に入ったら、Meta広告単体での増額は逆効果です。
別の媒体(後述するリスティング広告など)を組み合わせる、商品やオファー(初回キャンペーン等)を見直すなど、別のアプローチを検討するタイミングとなります。
自社はどのフェーズか見極める
「うちは今どこにいるんだろう?」を判断するには、毎月のCPAの動きを3ヶ月単位で見るのがおすすめです。
- CPAが3ヶ月以上、下がり続けている → フェーズ1
- CPAが横ばい or 少しずつ上がっている → フェーズ2
- CPAが急に上がっている → フェーズ3
CPAは月によって数字がブレやすいです。
「1ヶ月だけ高かった/安かった」で判断するのではなく、3ヶ月通してどう動いているかを見ると、本当のフェーズが見えてきます。
弊社の月次レポートでも、毎月CPAの推移を必ずチェックしています。
リスティング広告との使い分け
「Meta広告がフェーズ3に近づいたかも」という時、よく出てくる選択肢が「Google検索広告(=リスティング広告)」との併用です。
Meta広告とリスティング広告は、届けるお客さまの種類が違います。
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Meta広告(Facebook・Instagram): 潜在層へのアプローチ。
「特に困っていないけど、たまたまSNSで見かけて気になった」という方に届ける広告です。 -
リスティング広告(Google検索): 顕在層へのアプローチ。
自分から「新宿 整体」「肩こり 治し方」などで検索している、すでに困っていてサービスを探している方に届ける広告です。
顕在層は「自分から探している」分、決断が早く、短期的に効果が出やすい特徴があります。
一方で、その分クリック単価(1回クリックされるごとの費用)が高くなりやすく、特に競合が多い業界(美容・整体・薄毛・脱毛など)では、クリック単価が高騰して結果的にCPAも上振れることがあります。
いきなり大きく予算を入れるのではなく、月数万円程度から「試してみる」というスタンスが安全です。
数ヶ月運用してCPAが許容範囲なら拡大、合わなかったら撤退、という温度感で進めていく形がおすすめです。